ロジ・レポート

ロジのレポートです。

誰のための水道民営化なのか

 水道法改正の審議の中で、ヴェオリア社日本法人の社員が内閣府の担当部署に出向していることが明らかとなった。同社は水道事業に関して世界的に有名な企業であり、水道民営化についての利害関係者と言える。有利になるような内部情報に触れることができたとなれば問題がある。

 この法案は今年7月5日に衆院本会議で可決された。記録的な豪雨によって西日本が平成最悪の水害に見舞われている最中のことだ。
 水道施設運営権を民間事業者に設定できる仕組みが盛り込まれているため、水道民営化法案とも呼ばれている。
 先の国会での成立は見送られたが、11月22日、参院厚生労働委員会で審議入りした。

 

 福島瑞穂議員の指摘により内閣府への社員の出向が明らかとなったヴェオリア社日本法人は、すでに全国の自治体から水道料金徴収業務等を受注しており、さらに今年4月からは同社を含む企業連合が浜松市の下水道事業を担っている。

 極めて重要な水道とういインフラの運営を民間企業に託すことについて、どのように話が進んでいったのか気になるところだ。

 今回はヴェオリアではなく、別の人物に注目したい。
 竹中平蔵氏だ。

 水道民営化については、政府内に置かれた産業競争力会議や未来投資会議というところで活発な議論がなされてきた。竹中氏は民間議員としてこれらの会議に参加している。
 どのような話があったのか見てみよう。

 2014年5月19日、第5回経済財政諮問会議産業競争力会議合同会議での竹中氏の発言。

 ”今日議論したいのは、コンセッション、つまりインフラ運営の民営化についてである。資料は8-1、8-2であるが、後でご覧いただきたい。 昨日、香港から帰ってきたが、香港で大変話題になっていた会議がある。それは、5 月2日に国土交通省が開いた仙台空港のコンセッションに関する説明会である。そこに 140社集まったということで、これに対する海外投資家も含めた関心の高さが伺える。海外の投資家から見ると、GPIFの話とこのコンセッションの話に大変関心がある。 仙台空港の他にも、大阪市浜松市上下水道の話等、具体的な話が出つつある。”

 「コンセッション」とは、道路や空港、水道などのインフラについて、所有権を自治体などの公的機関に残したまま運営を民間に任せる方式のことだ。先に述べた浜松市の下水道事業について、このコンセッション方式が採用されている。
 発言は続く。

 ”3点申し上げたい。1点目に、昨年6月の成長戦略でアクションプランを作ってほしいと申し上げて、アクションプランが作られた。その中に数値目標が書かれており、このインフラの運営権の売却、コンセッションを10年で2~3兆円行うという目標が掲げられた。今回いろいろな役所の方の配慮をいただき、副大臣政務官の指導もいただいて、この10年の2~3兆円の目標を3年に前倒しをする。その3年間を集中期間と位置付けて、しっかりとやるということを提案したい。”

 コンセッションについての数値目標が出てくる。10年で2〜3兆円もインフラの運営権を売却するというのも驚きだが、竹中氏はそれを3年に前倒ししたいらしい。
 さらにこう続ける。

 ”そして、2~3兆円の内訳として、空港6件、上水道6件、下水道6件、有料道路1 件、これを最低限の目標として掲げてやっていく。これはメッセージ性があるのではないか。有料道路に関しては、これを特区の枠組みでやるというような話を進めており、 これに関する法律改正は速やかにお願いしたい。”

 「空港6件、上水道6件、下水道6件、有料道路1 件」という具体的な数字を出しているが、実はこれがそのまま政府の目標になる。

 2014年6月16日民間資金等活用事業推進会議決定「PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプランに係る集中強化期間の取組方針について」の中に同じ数字が登場し、国土交通省もこの数字を使っている。

f:id:logicalplz:20181203161441j:plain

f:id:logicalplz:20181203161711j:plain

f:id:logicalplz:20181203161808j:plain

 これについて、田村智子議員が今年6月20日に参院内閣委員会で指摘している。

 ”こんな具体的な提案で、実はこれ、そのまま政府の目標じゃないですか。空港六件、下水道六件、有料道路一件、水道六件。そうですよね、竹中さんが提案して、これ翌年ですか、これ政府の目標になっているんですよ。
 で、竹中さんの中には、PFI事業がどうかということなんか、提案の中ではほとんど語られていないですよ。こう言ってますよね。私、香港から帰ってきたで、仙台空港のコンセッションに関する説明会に五月に行った、百四十社集まった、今、海外の投資家はこのコンセッションに大変な関心があるんだ、こういう話から始まっているんですよ。何のことはない、国民の利益のためじゃなくて投資家の利益のために、新たなビジネスチャンスとして竹中さんが提案したとおりのことを盛り込んだPFIの促進の計画、これが出てきた。そうじゃないんですか、大臣、いかがですか。”

 梶山弘志大臣の答弁はこうだ。

 ”あくまでも個人の、個人というか委員としての意見ということであります。それに基づいて、いろんな意見がほかにもございます、その中で政府の方針を決めていくということであります。”

 選挙で選ばれたわけでもない民間議員の意見がそのまま政府の方針になる。これを個人の意見、委員としての意見ということで片付けていいものだろうか。

 また、産業競争力会議には、自治体の首長も参加する。2015年5月21日に開催された会合には浜松市長が出席し、ヒアリングが行われた。浜松市はこの時点で下水道事業のコンセッション導入を検討中であり、導入にあたっての課題や今後の予定、国への要望等、詳細にその現状を説明している。f:id:logicalplz:20181203212945j:plain

 2016年10月31日、「未来投資会議 構造改革徹底推進会合『第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション』会合(PPP/PFI)」第1回会合での竹中氏の発言。

 “最後に1つだけ、本当にこれは重要な問題だと思うし、同時に難しい問題だと思います。集中強化期間を今年度に控えて、これをやり遂げなければいけないのだが、この議論を一番最初に出した時点で、私はデンマークAPMターミナルズの話とかヴェオリアの話をさせていただいた。成長戦略として議論しているということは、APMターミナルズという世界70カ国近くで港湾の運営をやっている企業が実際にある。日本にはない。それは日本ではそういうことがまだできないからだ。ヴェオリアは世界数十各国で水道事業をやっている。ヴェオリアは日本に進出しようとしているけれども、日本にそういう企業がない。それは日本でやらせてもらえないからだと。今、その集中強化期間で、しっかりと足元を固めなければいけないのだが、その先には、どういうふうにしたら成長産業、成長を担えるような企業が日本に出てくるだろうか。事業主体が出てくるだろうか。そういうことをぜひ念頭に置いた上で、足元の問題をしっかりと 議論を賜りたいと思う。
 猪瀬さんが副知事のときに、ヴェオリアというのは3兆円規模ぐらいで水道だけで1.5兆円の売り上げがあると聞いたが、東京の水道局は3,000億円ぐらいの規模があって、日本は1,300もの水道の事業主体があって、小さいのだが、東京は大きいわけである。なので、そういう東京の水道局みたいなものを民間化して育てて、世界に打って出るようなものにしたいという話を、猪瀬さんはしておられたわけである。今後、そういうことを視野に置いて、だからこそ足元をどう固めるかという議論をお進めいただきたいと思う。これはまた先の話であるが、成長産業だと。”

 水道事業のことを「成長産業」と位置付けているようだ。
 そしてこう締めくくる。

 “もう一つ、この間、新浪さんとお話しする機会があったのだが、我々は経済財政諮問会議で、行革、財政再建の観点からこのコンセッションにこれから大変注力をしてくるということだと思う。そういうところは私たちもしっかりと相談して連携をとるので、何とぞ各府省の皆様方の御協力をよろしくお願い申し上げたいと思う。”

 安倍首相がよく言う「官民一体」というのはこのことなのだろうか。こういった会議には大臣や副大臣、各省庁の審議官等が参加し、進捗状況の報告を経て、問題の共有、意見の交換が行われる。なお、竹中氏はこの会議の会長を務めている。
 
 このように議論がなされていく中、2017年3月21日、浜松市は下水道事業のコンセッションについて、優先交渉権者を発表する。
 公募により選ばれたのは、ヴェオリアJFEエンジニアリングオリックス東急建設・須山建設の企業連合だ。f:id:logicalplz:20181203224037p:plain

 同年10月30日、浜松市との正式契約が発表され、今年4月から事業を開始している。

 ここではヴェオリアではなく、オリックスが入っていることに注目してほしい。
 竹中氏は、2015年6月にオリックス社外取締役に就任している。

 
www.orix.co.jp


 内閣府に出向しているヴェオリア日本法人の社員が水道民営化にどのように関わったかは分からないが、竹中氏は水道民営化について話し合う政府内の会議のメンバーであり、下水道事業への民間企業の参入を検討している自治体の首長からそれについての課題や今後の予定、要望等をヒアリングできる地位にいた。
 結果的に、浜松市の下水道事業には竹中氏が社外取締役を務めるオリックスが参入することとなった。

 水道は人々の生命維持に欠かせないものであり、それについて国家の政策を決定する場合、慎重に慎重を重ねた議論が要求される。料金の値上げや水質の悪化を懸念する声が出てくるのは当然のことだ。
 また、利害関係者が制度設計に関わっていたり内部情報に触れているとしたら、その制度の公平性が揺らぐことになる。

 今回の水道法改正は誰のためのものなのか。民間事業者の参入についての公平性は担保されているのか。
 法案の成立を急ぐのではなく、政府与党は国民の声に真摯に耳を傾け、説明責任を果たさなければならない。











最後まで読んでいただきありがとうございます。
カンパを募っています。よろしくお願いします。

https://kampa.me/t/oeq

noteもよろしくお願いします。
note.mu

安倍首相の「トリクルダウンとは一度も言っていない」発言について

 2018年9月14日、自民党総裁選に向けて行われた安倍晋三氏と石破茂氏の公開討論において、安倍氏がこう言った。

 「先ほど石破氏から『今の安倍政権がとっているのはトリクルダウンの政策だ』という趣旨の話をいただきましたが、私はそんなことを一度も言ったことはありません」

 安倍政権が掲げる経済政策はアベノミクスと呼ばれているが、アベノミクスと聞くと自然とトリクルダウンという言葉を連想するのは私だけではないはずだ。
 トリクルダウン(trickle down)とは、「滴り落ちる」という意味で、経済においては「富める者が富めば、やがて貧しい者にも富が滴り落ちる」という考え方を指す。説明の際に、シャンパンタワーの頂上からシャンパンが注がれている図をよく目にする。

 この安倍氏の発言を受けて、同氏が国会において「トリクルダウン」という言葉を発した部分を調べてみた。



 2016年3月28日予算委員会
 “今の御指摘で基本的な誤認がございますので訂正させていただきたいと思いますが、安倍政権はいわゆるトリクルダウン理論で政策を進めているわけではないわけであります。
 三本の矢の政策を進めていく中において、まさに政労使の対話を呼びかけ、賃金の上昇をこれは我々からお願いをしているわけでございます。同時に、最低賃金は三年間で五十円以上上げてきたわけでございます。つまり、トリクルダウンを前提としておられるので、トリクルダウンではないということをまず申し上げておきたいと思います。”

 「トリクルダウンを前提としておられるので、トリクルダウンではないということをまず申し上げておきたいと思います」
 なるほど、よく分からない。別の発言を見てみよう。

 2015年1月28日参議院本会議。
 “現在の我が国においては、長引くデフレからの脱却と経済再生の実現が喫緊の課題であります。我々が目指しているのは、いわゆるトリクルダウンではなく、経済の好循環の実現であり、地方経済の底上げであります。このため、政労使による賃上げの促進などの取組や地方創生などにも取り組んでいるところであります。今後とも、三本の矢の政策を更に前に進めてまいります。”

 2015年2月2日参議院予算委員会
 “安倍政権が目指しておりますのは、いわゆるトリクルダウンではなくて、経済の好循環の実現であります。そして、同時に、地方経済の底上げでもあるわけでありまして、だからこそ、政労使の懇談会、会合を開いて、しっかりと収益を上げた企業においては賃上げを行ってもらいたい、あるいは設備投資を行ってもらう、そして下請企業に対して価格転嫁ができるように対応してもらいたいということを政府として要請し、先般、経団連側も合意していただいたわけでございます。”

 2015年2月17日衆議院本会議。
 “安倍内閣が目指しているのは、いわゆるトリクルダウンではなく、経済の好循環の実現であり、地方経済の底上げです。このため、政労使による賃上げ、設備投資の促進や下請企業への転嫁などの取り組みや、地方創生などにも取り組んでいるところです。”
 

 2015年2月23日衆議院予算委員会
 “まず訂正させていただきたいんですが、私はトリクルダウンということを言ったことはないわけでありまして、私が進めている政策に対して批判的に、それはトリクルダウンだと言う人はいますが、私は、先般も申し上げましたように、私たちが進めている政策は、いわゆるトリクルダウンではなくて、まさに成長力の底上げだということを申し上げており、さらには、好循環を回していくということを申し上げているわけでございます。”

 どうやら、トリクルダウンではなく経済の好循環と言いたいようだ。ではその経済の好循環とは何なのか。

 2016年1月27日衆議院本会議。
 “また、安倍内閣では、企業が高収益を上げ、それが賃金という形になって国民の所得がふえていくことによって消費がふえ、また企業の収益がふえていくという経済の好循環の実現、さらには地方経済の底上げを目指し、取り組んできました。
 この結果、全ての都道府県において税収が増加するなど成果が上がっていますが、これは、一部のグローバル企業から果実が徐々に均てんされるというトリクルダウンとは全く異なるものであります。”

 「企業が高収益を上げ、それが賃金という形になって国民の所得がふえていく」
 この辺りはトリクルダウンっぽいのだが、安倍氏の中では違うようだ。

 では、自民党の議員や大臣はどういう認識なのか。
 2018年2月20日に行われた衆議院予算委員会自民党佐藤ゆかり氏がこう発言している。

 “安倍内閣の政策のアベノミクス。経済政策は、よくトリクルダウンというふうに言われるわけでございます。私も経済のモデルをつくる側で長年仕事をしておりましたが、トリクルダウンといいますと、大きな木があって、雨が降って、そして、理論の世界であれば、このトリクルダウンの木も左右に一本ずつ枝があるぐらいの抽象化されたものでありますから、雨の水も滴りやすい、すぐに効果があらわれるということでございます。こういったものを前提として、評論家の方々もトリクルダウンはあらわれないじゃないかということをよくおっしゃるんだろうというふうに思います。
 しかしながら、現実はそんなに易しいことではありません。現実の木はさまざま枝葉が茂っておりますし、そういう中で、雨がぶつかって水が散るところもあれば、下に落ちるところも出てくる。なかなか根元に水がおりてこないエリアとおりてくる場所とさまざまというのが実際のトリクルダウンの木ではないかというふうに考えるわけでございます。”

 なんと、トリクルダウンを連呼している。

 2014年11月24日に行われた記者会見での当時の内閣府特命担当大臣甘利明氏の発言も見ておこう。

 “トリクルダウンがまだ弱いということです。だから、トリクルダウンを強くする。あるいは「ないんだ」ではなくて、収益を上げたところから還元していかないと、儲かっている人がため込んでいるだけで、一切外に出しませんといったら、経済の回復などあり得ない。だから、トリクルダウンを速くするという課題や、実質賃金ができるだけ早くプラスになるようにしていくなど、そういう課題が残っている。
 だから、仮に消費税率引上げを延期するということになるならば、そういう本来の企業収益が賃金や下請け代金に跳ね返ってくる、これが一回は起きているわけですから、2巡目、3巡目を起こしていく、そういう時間的猶予が必要だという判断だと思います。アベノミクスが完全に失敗していたら、どこまで延ばそうと、デフレに戻ってしまいます。デフレに戻らないようにトリクルダウンをしっかりスピードを速める、実質賃金が上がっていくようにする、その時間的猶予をもらいたいということだと思います。”

 やはりトリクルダウンを連呼している。

 2015年3月16日参議院予算委員会における自民党伊達忠一氏の発言。

 “それから、それに関連してなんですが、総理は二月の二日に参議院の本委員会で、上からたらたら垂らしていくのではなく、全体をしっかり底上げしていくのが私たちの政策だと、こう述べられました。いわゆるトリクルダウンということなんですが、先に上を豊かにして、そしてそれが下に波及をしていくという政策でないことを示しているわけでございますが、しかしながら、総理の経済ブレーンと言われるエール大学の浜田教授は、四月一日日本経済新聞の「経済教室」で、金融拡張は円安を招き、輸出企業が潤う、輸出も日本経済を下支えする、株式市場は活況になり、株式投資家の消費を促進する、それが庶民の生産や労働市場に下がってくる、こうした過程を踏まえると、アベノミクスはどちらかというとトリクルダウンだということをこれは掲載してございます。
 アベノミクスが、上を先に豊かにするというこのトリクルダウンの政策が、やっぱり勘違いというか、思われているということがこういうさっきの言った調査結果に表れているんじゃないのかなと、こう思うんですが、もしかそうでないとすれば、この際しっかりとこれを説明をしておいていただければと、こう思います。”

 「総理はトリクルダウンではないと言っているが、やはりアベノミクスはトリクルダウンなのではないか」と言っているように読める。

 2014年3月7日参議院本会議における麻生太郎財務大臣の発言。

 “いわゆるトリクルダウン論、滴が落ちてくるトリクルダウン論についてのお尋ねがありました。
 現内閣は、企業収益の拡大が賃金の上昇や雇用の拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大に結び付くという経済の好循環の実現を目指しております。
 このため、これまで、企業の収益が賃上げのきっかけになるよう、所得拡大促進税制の拡充などの施策と併せて復興特別法人税の一年前倒し廃止を行うとともに、こうした施策による増益が賃金上昇につながるよう、政労使の三者で賃上げに向けた共通認識を取りまとめるなどの取組を行ったのは昨年の十二月の二十日、その答えが出てきておると思っております。
 現在、アベノミクスの効果もあり、有効求人倍率や失業率も改善、パートタイム労働者の時間当たり賃金も上昇するなど、幅広く雇用・所得環境の改善の兆しが見え始めていると考えております。”

 トリクルダウン論についての質問に対して安倍内閣の政策を語っていることからして、やはりアベノミクスはトリクルダウン論という認識なのではないだろうか。

 また、農林水産省は、「美しい村づくりの推進」というパンフレットの中でアベノミクスという言葉とトリクルダウンという言葉を矢印で結んでいる。

f:id:logicalplz:20181019175101p:plain

 『今の安倍政権がとっているのはトリクルダウンの政策だ』と安倍氏本人は一度も言ったことがないそうだが、自民党の議員や大臣、省庁がアベノミクスについてトリクルダウンという言葉を使って発信しているのは確かだ。

 もしかすると、安倍氏の認識と他の与党議員、閣僚、官僚の認識とで食い違いが生じているのではないか。総理大臣が国の政策、進行方向をきちんと理解しているのか、心配である。







最後まで読んでいただきありがとうございます。
カンパを募っています。よろしくお願いします。

https://kampa.me/t/oeq

noteもよろしくお願いします。ご支援いただければ助かります。
note.mu

伊勢崎市議会議員伊藤純子さんのとんでもツイートがとまらない

伊勢崎市議会議員伊藤純子さんのとんでもツイートがとまりません。
こちらをご覧ください。

"日本国憲法には「天皇奉戴」が明記されていることから、左翼・反天皇思想こそ、憲法に反しています。
日本人の感覚に「主権」という言葉は合わない、むしろ煩わしいように感じます。脈々と継承される立憲君主制を守るためにも、再度、帝国憲法の誕生に注目し、改憲に臨まれることを期待したいです。終"


「左翼・反天皇思想こそ、憲法に反しています」という思想信条の自由をガン無視した発言はこの際放置するとして、「日本国憲法には『天皇奉戴』が明記されている」の部分に注目してみます。
はたしてそんなことが日本国憲法に明記されているのでしょうか。
とりあえず天皇の地位に関する条文を確認しておきましょう。
第1条です。

"天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く"



「奉戴」という言葉は出てきません。天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と書かれています。いわゆる象徴天皇制と呼ばれるものです。


そういえば、伊藤純子さんは主権の所在について「『国民』ではなく『国家』にある」と発言していましたが、この条文にも「主権の存する日本国民」とはっきり書かれていますね。


とにかく、「奉戴」とは書かれていません。天皇に関する第1条から第8条にもその他の条文にも前文にも、日本国憲法の中に「奉戴」という言葉はどこにも出てきません。


天皇について「奉」や「戴」といった字を使った箇所もありません(「奉」という字は「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない(日本国憲法第15条第2項)」という部分にだけ登場します)。
参考:憲法条文・重要文書 | 日本国憲法の誕生


実は、大日本帝国憲法にも「奉戴」という言葉は出てきません。「奉」という字は憲法発布勅語には登場しますが、大日本帝国憲法の条文には登場しません。
参考:憲法条文・重要文書 | 日本国憲法の誕生


では、天皇について「奉戴」といった言葉が使われているものとはいったい何なのでしょうか。
藤純子さんはなぜ「奉戴」というなんとなく身分の上下を感じさせるような言葉が憲法に明記されていると言ってしまったのでしょうか。
探してみると、「天皇を戴く」という文言が登場するそれらしきものを見つけました。
平成24年4月27日に決定された自由民主党日本国憲法改正草案の前文です。
参考:日本国憲法改正草案 | 自由民主党 憲法改正推進本部


"日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される"

天皇を戴く」と記載されています。
これと混同して「『天皇奉戴』が明記されている」と発言してしまったのでしょうか。

なお、後に訂正はしているようです。

"現行憲法に「天皇奉戴」の明記はなされていません。「天皇奉戴」が明記されているようなもの、と申し上げるつもりでした。訂正してお詫びいたします"


さて、伊藤純子さんのツイートにはこうも書かれています。

"日本人の感覚に「主権」という言葉は合わない、むしろ煩わしいように感じます"

勝手に日本人を代表するような口ぶりでこんなことを言ってもらっては困りますよね。

国民主権日本国憲法の三大原理のひとつであり、日本はその原理のもとで戦後70年以上の歴史を刻んできたわけです。憲法のこの基本原理を否定するということは、現憲法下での日本の歩みの否定にも繋がるのではないでしょうか。

そして、伊藤純子さんの市議会議員としての地位も、日本国憲法に基づいて定められた地方自治法公職選挙法などによって得られたものです。
自らの地位の否定にも繋がりかねない主張をするのはあまり賢い振る舞いとは言えません。

憲法第93条第1項と第2項を見ておきましょう。

"地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する"
"地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する"


最後に、憲法第99条を確認しておきましょう。
"天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ"

藤純子さんにはこの規定を忘れないでほしいものです。

伊勢崎市議会議員の伊藤純子さんが国民主権を否定か

f:id:logicalplz:20180812103225p:plain
伊勢崎市議会議員の伊藤純子さんがとんでもない発言をしています。


"主権とは「国民および領土を統治する国家の権力。統治権」のこと。「国家が他国からの干渉を受けずに独自の意思決定を行う権利。国家主権」。つまり、熟語として、主権はまさに「国民」ではなく「国家」にあるのです。【つづく】"

なんと、主権は国民ではなく国家にある、と言い出しています。



ここで日本国憲法前文を確認しましょう。
最初の文です。

"日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する"

「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」とはっきり書かれています。

藤純子さんは憲法前文を読んだことがないのでしょうか。

なお、「主権」という言葉は一義的ではなく、「国家の意思はその領土内においては最高の力を持つ」といった対内的な統治についての文脈や、「国家は他の国家権力には拘束されない。日本は主権国家だ」という対外的な独立に関する文脈で違った意味でも使われることがあります。

しかしながら、伊藤純子さんはこう言っています。

"つまり、熟語として、主権はまさに「国民」ではなく「国家」にあるのです"

これは言い逃れできません。
主権の所在はどこかという話で「国民」と「国家」を登場させるのであれば、その答えは現行憲法に基づき「国民」と言うしかありません。
ところが伊藤純子さんはあえて「国民」を持ち出し、その主権を否定しているのです。

日本国憲法の三大原理は①国民主権、②平和主義、③基本的人権の尊重ですが、そのうちの国民主権を否定しているというわけです。

かつて自民党参議院議員片山さつきさんが天賦人権論を否定したのにも驚きました。

"国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!"

天賦人権論とは、平たく言うと、人は生来的に自由・平等で幸せになる権利を持っているという考え方で、1948年12月10日に第3回国連総会で採択された世界人権宣言にも色濃く反映されています。
第1条を確認しておきましょう。

"すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない"

1951年9月8日に調印され、1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約の前文において、日本はこの世界人権宣言の目的を実現するために努力する意思を宣言しています。

藤純子さんにせよ片山さつきさんにせよ、現憲法下での国家や人権についての基本的な考え方を否定したり誤った解釈を披露したりするこういった人たちが公職に就いていることに戦慄を覚えます。
日本国憲法第99条に定められている憲法尊重擁護義務を思い出していただきたいものです。

"天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ"



最後まで読んでいただきありがとうございます。
カンパを募っています。よろしくお願いします。

noteもよろしくお願いします。
note.mu

杉田水脈さんのとんでもツイートがとまらない

f:id:logicalplz:20180804132241p:plain
LGBTについて「生産性がない」と発言し大きな批判を浴びている自民党衆議院議員杉田水脈さんですが、彼女は普段からとんでもない発言を連発しています。本日はそのほんの一部をご紹介したいと思います。

まずはこちら。

自治労の事務所を撮影し、自身のツイッターで「オウム真理教のアジトみたいな様相を醸し出しています」「反日の匂いがするビラが壁に貼ってある」などと誹謗中傷を交えて晒しあげています。
常識的に考えて、こんなことをしてはいけません。
自民党比例代表の公認候補として衆院選に出馬する一年ほど前の発言。



続いてこちら。

宝塚市役所前で「子供達を守ろう!」と訴えている母親たちを撮影しツイッターにアップ。「異様な光景」「左巻き」「洗脳」などとまともな大人とは思えない暴言を吐いています。いったい何が彼女をこういった危ない思想に導いていったのでしょうか。
自由民主党からの出馬が決定したと発表するわずか2ヶ月半前のツイート。

次はこれ。

インターポールのトップに中国人が就任したというニュースについて絵文字のダブルエクスクラメーションマークまで使って驚きを表明し、「実弾の戦争よりも恐ろしいことになってきました」とちょっと意味不明なことを言っています。

インターポールの日本における正式名称は「国際刑事警察機構」。2018年末時点で192ヶ国・地域が加盟しています。
「各国の国内法の範囲内で、かつ、『世界人権宣言』の精神に基づき、すべての刑事警察間における最大限の相互協力を確保し、及び推進すること(ICPO憲章第2条)」を目的とする国際組織で、主な活動として「国際犯罪及び国際犯罪者に関する情報の収集と交換」「犯罪対策のための国際会議の開催」「逃亡犯罪人の所在発見と国際手配書の発行」「加盟国の捜査能力向上のためのトレーニングの計画及び実施」を行っています。
また、「機構は、政治的、軍事的、宗教的又は人種的性格を持ついかなる干渉又は活動もしてはならない(ICPO憲章第3条)」との原則が定められていたりします。
参考:国際刑事警察機構警察庁ウェブサイト)

国籍という属性のみをもって批判を展開したり侮辱的な発言をすることは差別であり、絶対にしてはいけません。
自由民主党からの出馬が決定したと発表する2ヶ月前のツイート。

とりあえずあとひとつ。

「国連なんて戦勝国の私利私欲で動くいい加減な組織」といきなり全否定から入り、「日本のことなんて便利なATMくらいにしか思ってない!」と根拠も示さずに被害妄想のような主張を展開しています。
もちろんそんなことはなく、日本外交にとっての国際連合の重要性は言うまでもありません。
参考:日本と国連 | 外務省(外務省ウェブサイト)
これも自由民主党からの出馬が決定したと発表する2ヶ月ちょっと前のツイート。

杉田水脈さんは国会議員であり、「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関(日本国憲法第41条)」である国会のメンバーです。
国会議員には、基本的人権の尊重や国際協調主義が盛り込まれている日本国憲法を尊重し擁護する義務があります(日本国憲法第99条)。
人権を忘れてしまったり差別や排外に陥ってしまった場合、国会議員としての資格を問われるのは当然なのです。



最後まで読んでいただきありがとうございます。
カンパを募っています。よろしくお願いします。

noteもよろしくお願いします。
note.mu

竹中平蔵さんがパソナグループの取締役会長ということは覚えておきたい

f:id:logicalplz:20180603234845p:plain
「(休日を)4週間で4日とれというのは厳しい規制」

「あれをやっても不安これをやっても不安ということだと日本全体が沈む」

「これを入れていかないと日本経済の明日はない」

竹中平蔵さんがクロ現プラスで高プロについてこういった印象操作を行い、挙げ句の果てには「適用される人が1%ではなくもっともっと増えていかないと日本の経済強くなっていかない」と定額働かせ放題の拡大をはやくも訴えていましたね。
是が非でもこの法案を通したいという強い意気込みが伝わってきました。

竹中平蔵さん、小泉内閣総務大臣郵政民営化担当大臣を務めたりテレビの討論番組なんかにもよく出てきて有名な人物ですね。

最近では肩書きとして「東洋大学教授」や「慶應義塾大学名誉教授」といったものがよく使われていますが、忘れてはいけないのは彼は株式会社パソナグループの取締役会長だということです。営利企業の意思決定に携わる人なわけです。利益追求を第一の目的とする会社という法人の役員なわけです。

で、特定の営利企業の役員であると同時に国家の意思決定にも影響を及ぼしているんですねこの人。
加計学園問題が噴出して今や知らない人はいないという「国家戦略特区」。竹中さんはこの国家戦略特区について話し合う諮問会議のメンバーでもあります。
実は、加計学園とはまた別の角度から国家戦略特区が問題視されたことがあるんですが、それが他でもないこの竹中さんについてでした。



外国人家事労働支援が特区の事業とされ、神奈川や東京でパソナがその事業者として認定されたことについて、パソナグループの会長である竹中さんが国家戦略特区諮問会議のメンバーなのはおかしいんじゃないかということでした。ごもっとも。
一企業の役員が、選挙で選ばれたわけでもないのに国の政策に影響を及ぼし、結果として役員を務める企業が恩恵を受けたわけです。利益誘導を疑われるのも仕方ありません。

国家戦略特区だけじゃないんです。パソナのグループ、国から直接たくさん仕事を請け負っているんです。
どれだけ仕事をもらっているかちょっと確認しておきましょう。
ざーっと流し見しながら下までスクロールしてください。

平成28年度(経済産業省
事業名:Fターム等を用いた先行技術文献調査外注費
支出先:株式会社パソナグループ
支出額:18億1400万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27052700METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:地域経済産業活性化対策等調査・分析
支出先:株式会社パソナ
支出額:400万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27016900METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:小規模事業支援パッケージ事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:2700万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27013600METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:多様な「人活」支援サービス創出事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:4600万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27000100METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:地域創業促進支援委託事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:3億4300万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27013100METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:独立行政法人日本貿易振興機構運営事業(交付金)
支出先:株式会社パソナ
支出額:1600万円・1000万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27047600METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:研究開発型ベンチャー支援事業(起業家候補人材支援事業)
支出先:株式会社パソナテック
支出額:4億7200万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27001400METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:中小企業・小規模事業者人材対策事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1億7000万円・3500万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27013800METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:9億800万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/27011900METI.pdf
平成28年度(経済産業省
事業名:技術協力活用型・新興国市場開拓事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:2億5000万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/28000700METI.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業名:生活困窮者自立相談支援事業費等負担金
支出先:株式会社パソナ
支出額:2億8400万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2017/h28_pdf_saisyu/680.pdf
平成28年度(厚生労働省
事業名:中小企業のための女性活躍推進事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:2億4800万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2016/h28_pdf/029.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業名:中小企業のための女性活躍推進事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1億8900万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2017/h28_pdf_saisyu/629.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業名:農薬等ポジティブリスト制度推進事業
支出先:株式会社パソナOGXA
支出額:500万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2017/h28_pdf_saisyu/332.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業名:独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費
支出先:株式会社パソナ
支出額:1900万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2016/h27_pdf/466.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業名:地域保健活動普及等委託費
支出先:株式会社パソナ
支出額:400万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2017/h28_pdf_saisyu/304.pdf
平成28年度(厚生労働省
事業名:地域保健活動普及等委託費
支出先:株式会社パソナ 支出額:500万円
支出先:株式会社パソナメディカル 支出額:300万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2016/h27_pdf_saisyu/297.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業名:民間人材サービスの活用による労働市場の機能強化事業
支出先:株式会社パソナ(関東ブロック) 支出額:8830万円
支出先:株式会社パソナ(近畿ブロック) 支出額:4870万円
支出先:株式会社パソナ(北海道ブロック) 支出額:550万円
支出先:株式会社パソナ(九州ブロック) 支出額:250万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2017/h28_pdf/600.pdf
平成28年度(厚生労働省
事業名:国立更生援護施設運営事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1200万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2016/h27_pdf_saisyu/755.pdf
平成28年度(厚生労働省
事業名:若年者地域連携事業
支出先:大阪労働協会・パソナ共同企業体
支出額:1億800万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2016/h27_pdf_saisyu/547.pdf
平成29年度(厚生労働省
事業番号:0622
事業名:両立支援に関する雇用管理改善事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1億9000万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2017/h28_pdf_saisyu/622.pdf
平成28年度(厚生労働省
事業名:中央ナースセンター事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:300万円
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2016/h27_pdf/041.pdf
平成28年度(農林水産省
事業名:新規就農・経営継承総合支援事業
支出先:株式会社パソナ農援隊
支出額:1600万円
http://www.maff.go.jp/j/budget/review/h28/pdf/tikaall_tyu3.pdf
平成29年度(農林水産省
事業名:農業人材力強化総合支援事業(旧新規就農・経営継承総合支援事業)
支出先:株式会社パソナ農援隊
支出額:1600万円
http://www.maff.go.jp/j/budget/review/h29/review/bunya/attach/pdf/28_6tika_saisyu-3.pdf
平成28年度(農林水産省
事業名:6次産業化ネットワーク推進対策事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1200万円
http://www.maff.go.jp/j/budget/review/h28/pdf/seiall_tyu.pdf
平成28年度(農林水産省
事業名:輸出総合サポートプロジェクト事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1500万円
http://www.maff.go.jp/j/budget/review/h28/pdf/guroall_syu.pdf
平成29年度(農林水産省
事業名:輸出総合サポートプロジェクト
支出先:株式会社パソナ
支出額:1500万円
http://www.maff.go.jp/j/budget/review/h29/review/bunya/attach/pdf/28_4guro_saisyu-2.pdf
平成28年度(日本貿易振興機構
事業名:対日直接投資の促進
支出先:株式会社パソナ
支出額:1600万円・1000万円
http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2016/saishupdf/segment0003METI.pdf
近年のもので目に付いたのをピックアップしてみました。これで全部ではありません。
国からたくさん仕事をもらっているんですよねパソナは。そしてそのパソナグループの取締役会長なのが竹中平蔵さんなんです。
繰り返しになりますが、そういう人が選挙で選ばれたわけでもないのに国家の意思決定に影響を与える地位にあるのはちょっとどうかと思いますよね。
一部の人だけが得をするような政策が推し進められていくんじゃないかって心配になってしまいます。

そして、今問題になっている高度プロフェッショナル制度についても彼は無関係ではありません。
竹中さんは産業競争力会議(未来投資会議の創設により2016年に廃止)のメンバーでもあったわけですが、その産業競争力会議での検討を踏まえた日本再興戦略2016(案)には高度プロフェッショナル制度の早期創設が謳われているんです。日本再興戦略2016は閣議決定され、今まさにその高プロが実現しようとしている段階です。

パソナは言わずと知れた人材派遣大手。他人の労働力を売り物にしている企業です。
そのパソナグループの会長である竹中平蔵さんが強く望んでいる高プロ
この制度が誕生したら何が起こるか、当事者である労働者個々人が改めてちゃんと考える必要があります。
それにしても非正規雇用、ずいぶん増えましたね。




最後まで読んでいただきありがとうございます。
カンパを募っています。よろしくお願いします。

noteもよろしくお願いします。ご支援いただければ助かります。
note.mu

差別デマを拡散する内閣府のプロパガンダ装置(2)

前回のレポートで、国政モニターという内閣府政府広報室のウェブサイトに国民の意見としてヘイトスピーチ、差別、誹謗中傷に当たる文章が堂々と掲載されていることを書いたけど、ちょっとだけ追記。

こちらをご覧ください。


内閣府政府広報室ウェブサイト
URL: https://monitor.gov-online.go.jp/html/monitor/h25/kaigi/torikumi.html

「皆様からいただいたご意見は、毎月、各府省へ配布しています」

絶望感増すよね。
どうやら内閣府に集まったあの意見、各府省(各省庁)に配布しているみたいなんだ。
差別、ヘイトスピーチ、誹謗中傷に当たるようなあれを国民の意見として各省庁に配布している。
いったいどういうつもりなのかと。


内閣府政府広報室ウェブサイト
URL: https://monitor.gov-online.go.jp/html/monitor/h25/kaigi/kanren/katsuyorei_h24.html

受け取った各省庁は、意見を全部局へ配布したり、概要を作成したり、省内共通掲示板に掲載したり、所管法人へ配布したりしているらしい。
ヘイトスピーチ、差別、誹謗中傷に当たるようなあの禍々しい文章を広く周知させるための努力をしているというわけだ。


内閣府政府広報ウェブサイト
URL: https://monitor.gov-online.go.jp/html/monitor/h25/kaigi/kanren/katsuyorei_h24.html

さらにそれを受けて、「全都道府県での説明会の開催やチラシ・パンフレットの配布など広報を実施」、「緊急調査の実施、総合的な取組方針の発表等の取組を実施」、「関係する部局において、関連する対応、通達、取締り等を実施」といったことが行われている。



ヘイトスピーチ、差別、誹謗中傷に当たるような意見が行政の現場に影響を与えて、行政から国民、市民へと拡がっていくシステムなんだよ。
毎年、モニターたちの新しい意見が内閣府に集まり、内閣府から各省庁に配布され、各省庁の末端に行き渡り、国民、市民へと拡がっていく。平成29年に国政モニター事業を休止するまではこれが繰り返されていたわけだ。
差別デマ拡散の永久機関みたいなもんだよね。
あんなもんを参考にして行政に動かれたらたまったもんじゃない。

あの国政モニターの禍々しい意見群が各省庁の行政施策にどう影響したのか、考えるだけで恐ろしい。
これについては絶対に検証を行う必要がある。