まとめサイト政治知新のデマに共産党が抗議「事実無根で重大な名誉毀損」法的措置を検討
「政治知新」というまとめサイトが非難に晒されている。
発端は、共産党参議院議員吉良よし子氏に関する事実無根の中傷記事だ。記事はすでにサイト上からは削除されているが、アーカイブが残っている。
ツイートのアーカイブ http://archive.fo/Ivfzs
問題となっているのは、2019年4月11日に公開された"共産党の吉良よし子参議院議員に「地方の大学教授」との不倫疑惑が複数報じられる"というタイトルの記事で、月刊誌『実話ナックルズ』のWEB版「覚醒ナックルズ」の記事を引用して作成されたものだ。
吉良氏と男性(現在吉良氏の夫)が一緒に写っているプライベートな画像をトップに使用し、あたかもそれが不倫の現場であるかのような印象を与えながら、吉良氏曰く「事実無根」の不倫疑惑をいかにも信ぴょう性があるかのように書いている。
これに対して、4月12日、吉良氏がTwitterにて反応した。
私のことを誹謗中傷するサイトが拡散されています。
— 吉良よし子 (@kirayoshiko) April 12, 2019
その内容は、すべて事実無根です。にもかかわらず、まるで事実であるかのように、拡散されていることは、重大な名誉毀損であり、絶対に許せません。
こうした行為を厳につつしむよう、強く求めます。
"私のことを誹謗中傷するサイトが拡散されています。
その内容は、すべて事実無根です。にもかかわらず、まるで事実であるかのように、拡散されていることは、重大な名誉毀損であり、絶対に許せません。
こうした行為を厳につつしむよう、強く求めます。"
文面からは強い憤りが感じられる。根も葉もない不倫疑惑をでっち上げられ、プライベートに踏み込む写真を無断で使用され、しかもそれが誤った印象を与えるような使い方をされ、ネット上で拡散されたのだ。怒りは当然だろう。
そして同日、日本共産党のTwitter公式アカウントもこの件に関してツイートを行なった。
吉良議員を誹謗中傷する記事を掲載したサイトが拡散されています。全く事実無根であるにも関わらず、事実であるかのように掲載し拡散されていることは、吉良議員に対する重大な名誉棄損であり、許せません。日本共産党として法的措置を検討します。
— 日本共産党⚙🌾 (@jcp_cc) April 12, 2019
"吉良議員を誹謗中傷する記事を掲載したサイトが拡散されています。全く事実無根であるにも関わらず、事実であるかのように掲載し拡散されていることは、吉良議員に対する重大な名誉棄損であり、許せません。日本共産党として法的措置を検討します。"
「誹謗中傷」「事実無根」「重大な名誉毀損」と強い非難の態度を示し、また、法的措置を検討していることを示した。デマによる攻撃を受けている党所属議員を守る姿勢は、当然のこととはいえ、立派だ。
さらに、13日、日本共産党東京都委員会はホームページにて、吉良氏に対する中傷に抗議するコメントを発表した。
www.jcp-tokyo.net
該当記事はというと、なんの釈明も謝罪もないまま、いつの間にか削除されていた。政治知新は現在も記事を量産し続けている。
実は、この政治知新というサイト、吉良氏だけではなく他の政治家に対しても名誉に関わる扇動的で攻撃的な記事を多数掲載している。また、ヘイトスピーチに当たる言葉も多く目につく。
立憲民主党蓮舫氏等の野党議員についてのものが多いが、自由民主党石破茂氏についての記事も少なくない。その他、沖縄県知事玉城デニー氏等がターゲットだ。
蓮舫氏に関する記事 https://seijichishin.com/?p=14614
石破茂氏に関する記事 https://seijichishin.com/?p=11837
玉城デニー氏に関する記事 https://seijichishin.com/?p=7914
問題となった記事を巡って、政治知新はネット上で大きな批判を浴び、サイト管理者の住所氏名が特定される事態となった。
その結果、管理者は自由民主党神奈川県議田村雄介氏の親族であることが明らかとなった。特定に至った経緯は下記のブログ等で確認してほしい。
http://infocus.hatenablog.com/entry/2019/04/13/225144
その後、ウェブメディアがサイト管理者や親族の神奈川県議田村雄介氏を取材し記事にしているが、事態の全容はまだ解明されていない。
Literaの記事
https://lite-ra.com/i/2019/04/post-4661.html
BuzzFeed Japanの記事
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/seiji-chi-shin
ヘイトスピーチやデマ、誹謗中傷を交えた扇動的で攻撃的な記事を掲載するこのようなまとめサイトは、健全な言論活動を阻害し、民主主義を機能不全に陥れる一因となる。
強い抗議の姿勢を表明した共産党にエールを送るとともに、早期に吉良氏の名誉が回復することを望む。
なお、現在この件に関して調査を行なっており、結果は改めて報告したいと思う。