沖縄県民投票の結果に難癖をつける日本維新の会下地幹郎衆議院議員と辺野古埋立受注企業・大米建設の関係
2019年2月24日、辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票が行われた。
反対が43万4,273票(71.74%)、賛成が11万4,933票(18.99%)、どちらでもないが5万2,682票(8.70%)となった。投票率は52.48%だ。
反対票は、2018年沖縄県知事選の玉城デニー氏の得票数39万6,632票(同県知事選過去最多)を大きく上回った。
この結果について、日本維新の会所属衆議院議員下地幹郎氏は、こう述べた。
私が申し上げてきた「投票率64%、反対票39万票以上」という基準は超えられず、勝利者の軍配をどちらに上げることもできない状況が生まれてしまう事となりました。
— 下地ミキオ (@mikioshimoji) 2019年2月24日
最終決着をつけるのは、やはり政治の力だと、改めて感じております
"私が申し上げてきた「投票率64%、反対票39万票以上」という基準は超えられず、勝利者の軍配をどちらに上げることもできない状況が生まれてしまう事となりました。
最終決着をつけるのは、やはり政治の力だと、改めて感じております"
2018年の知事選の結果を超える民意を示してみろとでも言いたかったのだろうが、反対票は下地氏の設定した39万票を大きく上回っている。
「勝利者の軍配をどちらに上げることもできない状況が生まれてしまう事となりました」という台詞は負け惜しみにしか聞こえない。
さて、この下地幹郎氏、1996年に自由民主党公認候補として沖縄1区から出馬したが落選、比例復活で初当選を果たし無事に衆議院議員となったが、実は沖縄県の大手ゼネコン大米建設の役員を務めていた。現在の同社の代表取締役会長下地米蔵氏の弟でもある。
大米建設は、安藤・間・大豊建設・大米建設建設共同企業体の一員として、キャンプ・シュワブの埋立工事の2工区を65億6,500万円(税抜)で落札している。
まさに、今回の県民投票で賛否を問うた辺野古の埋め立てに利害関係を持っている企業の出身であり、その企業の代表取締役会長の弟なのだ。
かつて、国会でこういうやりとりもあった。
2002年3月26日、衆議院決算行政監視委員会での民主党木下厚氏の質問。
"さらに、資料二を見てください。これは、地元の下地幹郎さんの寄附金先です。平成八年度から平成十二年度までそれぞれ表にしてあります。
例えば、最初に書いてある株式会社、これは大米建設でございます。これは下地さんのお兄さんのやっている会社で、衆議院選に出るまでは彼自身も役員をやっていた、現在も大株主であるということなんですね。ここから、平成八年度百万、平成九年度五十万、平成十年度、個人の政治団体である新しい日本を創造する会に五十万、それから、下地さんが代表をやっている自民党沖縄県第一選挙区支部に百万円、さらにパーティー券三十万円、平成十一年度五十万円、それから平成十二年度には実に三百八十万円を献金しています。
さらに、そのファミリー企業である大米興産、あるいは関連企業である、株式を持ち合っています南海建設、あるいは仲吉組、さらにはその三つほど下の南西建設、この献金額を総額するととんでもない数字になります。
沖縄の特Aと言われている、沖縄でもナンバーフォーぐらいに入っている大米建設です。しかし、どうなんでしょう。お兄さんがやって、しかも大株主である、そういった会社から、私たちの税金を使った公共事業に対して、見返りとしてこれだけの献金をする。まさに税金の還流じゃないですか。
どうですか、尾身大臣。こういうことが、違反するかどうかは別にして、常識的に許されますか。いかがですか、大臣、これだけの金額を。"
"今数字を拝見いたしました。
私も政治活動をしている者として、この数字を見ていろいろ思うところもありますが、この場は、一人の政治家の政治活動のあり方に関する問題でございますから、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。"
木下氏。
"いや、政治家のあり方じゃなくて、特に大米建設は、会社の五〇%以上を公共事業で占めているんです、売り上げの五〇%以上を。そういったところから、しかも大株主である人に対して、毎年毎年多額の献金をする。
これは政治家のモラルとして、扇大臣、どうですか。扇国土交通大臣、こうした公共事業をこういう形で、私なんかは明らかに税金の還流であるという感じがするんですが、率直な御意見をお聞きしたいと思います。"
国務大臣の扇氏の返答。
"今、私、この資料を初めて拝見させていただきましたので、これが公共事業の還流であるかどうかということは、私は判断いたしかねます。
ですから、これが五〇%以上公共工事を受けているから税金の還流ではないかと言われても、私、調べようもございませんし、今目にしましたので、私は、還流だということは断言できません。"
木下氏はさらに追及を強める。
"まして下地さんは、一九九八年七月から一九九九年十月まで沖縄開発庁政務次官をやっています。この政務次官のときに急に献金がふえています。それから鈴木宗男さんは、九七年に北海道・沖縄開発庁長官、九八年に内閣官房副長官をやっています。いわば、二人でセットになってこうした形で沖縄の企業から献金を集めた。しかも、毎年三千億円と言われる公共事業、ここからの上がりから献金を受けているわけです。これをきちんと調べてください。おかしいと思いませんか、扇大臣。"
衆議院会議録情報 第154回国会 決算行政監視委員会 第4号
話はまだ続くが、要は以前から下地氏と大米建設の関係が問題視されていたのだ。
大米建設は、他にもキャンプ端慶覧における土木工事等、多くの公共事業に参画している。
下地氏は国会議員であり、日本国憲法第43条に「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とある通り、全国民を代表する地位にある。
間違っても特定の企業の代表ということがあってはならないのであり、これについては、我々有権者も目を光らせておかなければならない。