竹中平蔵さんがパソナグループの取締役会長ということは覚えておきたい
「(休日を)4週間で4日とれというのは厳しい規制」
「あれをやっても不安これをやっても不安ということだと日本全体が沈む」
「これを入れていかないと日本経済の明日はない」
竹中平蔵さんがクロ現プラスで高プロについてこういった印象操作を行い、挙げ句の果てには「適用される人が1%ではなくもっともっと増えていかないと日本の経済強くなっていかない」と定額働かせ放題の拡大をはやくも訴えていましたね。
是が非でもこの法案を通したいという強い意気込みが伝わってきました。
竹中平蔵さん、小泉内閣で総務大臣や郵政民営化担当大臣を務めたりテレビの討論番組なんかにもよく出てきて有名な人物ですね。
最近では肩書きとして「東洋大学教授」や「慶應義塾大学名誉教授」といったものがよく使われていますが、忘れてはいけないのは彼は株式会社パソナグループの取締役会長だということです。営利企業の意思決定に携わる人なわけです。利益追求を第一の目的とする会社という法人の役員なわけです。
で、特定の営利企業の役員であると同時に国家の意思決定にも影響を及ぼしているんですねこの人。
加計学園問題が噴出して今や知らない人はいないという「国家戦略特区」。竹中さんはこの国家戦略特区について話し合う諮問会議のメンバーでもあります。
実は、加計学園とはまた別の角度から国家戦略特区が問題視されたことがあるんですが、それが他でもないこの竹中さんについてでした。
外国人家事労働支援が特区の事業とされ、神奈川や東京でパソナがその事業者として認定されたことについて、パソナグループの会長である竹中さんが国家戦略特区諮問会議のメンバーなのはおかしいんじゃないかということでした。ごもっとも。
一企業の役員が、選挙で選ばれたわけでもないのに国の政策に影響を及ぼし、結果として役員を務める企業が恩恵を受けたわけです。利益誘導を疑われるのも仕方ありません。
国家戦略特区だけじゃないんです。パソナのグループ、国から直接たくさん仕事を請け負っているんです。
どれだけ仕事をもらっているかちょっと確認しておきましょう。
ざーっと流し見しながら下までスクロールしてください。
平成28年度(経済産業省)
事業名:Fターム等を用いた先行技術文献調査外注費
支出先:株式会社パソナグループ
支出額:18億1400万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:地域経済産業活性化対策等調査・分析
支出先:株式会社パソナ
支出額:400万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:小規模事業支援パッケージ事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:2700万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:多様な「人活」支援サービス創出事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:4600万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:地域創業促進支援委託事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:3億4300万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:独立行政法人日本貿易振興機構運営事業(交付金)
支出先:株式会社パソナ
支出額:1600万円・1000万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:研究開発型ベンチャー支援事業(起業家候補人材支援事業)
支出先:株式会社パソナテック
支出額:4億7200万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:中小企業・小規模事業者人材対策事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1億7000万円・3500万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:9億800万円
平成28年度(経済産業省)
事業名:技術協力活用型・新興国市場開拓事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:2億5000万円
平成29年度(厚生労働省)
事業名:生活困窮者自立相談支援事業費等負担金
支出先:株式会社パソナ
支出額:2億8400万円
平成28年度(厚生労働省)
事業名:中小企業のための女性活躍推進事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:2億4800万円
平成29年度(厚生労働省)
事業名:中小企業のための女性活躍推進事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1億8900万円
平成29年度(厚生労働省)
事業名:農薬等ポジティブリスト制度推進事業
支出先:株式会社パソナOGXA
支出額:500万円
平成29年度(厚生労働省)
事業名:独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費
支出先:株式会社パソナ
支出額:1900万円
平成29年度(厚生労働省)
事業名:地域保健活動普及等委託費
支出先:株式会社パソナ
支出額:400万円
平成28年度(厚生労働省)
事業名:地域保健活動普及等委託費
支出先:株式会社パソナ 支出額:500万円
支出先:株式会社パソナメディカル 支出額:300万円
平成29年度(厚生労働省)
事業名:民間人材サービスの活用による労働市場の機能強化事業
支出先:株式会社パソナ(関東ブロック) 支出額:8830万円
支出先:株式会社パソナ(近畿ブロック) 支出額:4870万円
支出先:株式会社パソナ(北海道ブロック) 支出額:550万円
支出先:株式会社パソナ(九州ブロック) 支出額:250万円
平成28年度(厚生労働省)
事業名:国立更生援護施設運営事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1200万円
平成28年度(厚生労働省)
事業名:若年者地域連携事業
支出先:大阪労働協会・パソナ共同企業体
支出額:1億800万円
平成29年度(厚生労働省)
事業番号:0622
事業名:両立支援に関する雇用管理改善事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1億9000万円
平成28年度(厚生労働省)
事業名:中央ナースセンター事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:300万円
平成28年度(農林水産省)
事業名:新規就農・経営継承総合支援事業
支出先:株式会社パソナ農援隊
支出額:1600万円
平成29年度(農林水産省)
事業名:農業人材力強化総合支援事業(旧新規就農・経営継承総合支援事業)
支出先:株式会社パソナ農援隊
支出額:1600万円
平成28年度(農林水産省)
事業名:6次産業化ネットワーク推進対策事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1200万円
平成28年度(農林水産省)
事業名:輸出総合サポートプロジェクト事業
支出先:株式会社パソナ
支出額:1500万円
平成29年度(農林水産省)
事業名:輸出総合サポートプロジェクト
支出先:株式会社パソナ
支出額:1500万円
平成28年度(日本貿易振興機構)
事業名:対日直接投資の促進
支出先:株式会社パソナ
支出額:1600万円・1000万円
近年のもので目に付いたのをピックアップしてみました。これで全部ではありません。
国からたくさん仕事をもらっているんですよねパソナは。そしてそのパソナグループの取締役会長なのが竹中平蔵さんなんです。
繰り返しになりますが、そういう人が選挙で選ばれたわけでもないのに国家の意思決定に影響を与える地位にあるのはちょっとどうかと思いますよね。
一部の人だけが得をするような政策が推し進められていくんじゃないかって心配になってしまいます。
そして、今問題になっている高度プロフェッショナル制度についても彼は無関係ではありません。
竹中さんは産業競争力会議(未来投資会議の創設により2016年に廃止)のメンバーでもあったわけですが、その産業競争力会議での検討を踏まえた日本再興戦略2016(案)には高度プロフェッショナル制度の早期創設が謳われているんです。日本再興戦略2016は閣議決定され、今まさにその高プロが実現しようとしている段階です。
パソナは言わずと知れた人材派遣大手。他人の労働力を売り物にしている企業です。
そのパソナグループの会長である竹中平蔵さんが強く望んでいる高プロ。
この制度が誕生したら何が起こるか、当事者である労働者個々人が改めてちゃんと考える必要があります。
それにしても非正規雇用、ずいぶん増えましたね。
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